あの場所で待っている。

あの場所で待っている。

どうも片岡自動車工業マンです。チケット発売まで一週間。4月1日。威勢良く稽古が始まります。煮るなり焼くなり。如何様にもって感じなんだけど、セッションから始まる稽古のスタイルは「儂が燃えて死ぬまでの噺(以下、儂燃」の初演を思い出す。あのときは二本立てで「スーパーソニックジェット赤子」を完本させる事に精一杯だったせいもあり、「儂燃」の稽古開始になんと台本が1ページしかなかったのだ。男ばっかりでファミレスにいって、「頭の中では完本してるねん!」とか言いながらネタ出ししてもらった。我ながら無茶苦茶である。

棚からぼたもち的な感じだけど、わりとそのファミレスから始まる稽古が自分的には結構ヒットで、変に気負った状態にはならなかった。トリッキーで実験的な作品に挑戦する時には、普通じゃダメなのかもしれない。なので、今回「名探偵青島青子 -劇場版-」はもちろん女優がキラキラしている舞台になるんだけど、キラキラしていいよ!みたいなノリの男優陣が如何なるポジショニングでこの作品に絡むか、本格的に女優の稽古が始まる前に、目標なりフォーメーションを決めておく必要がある。大事な一日目。頼れる洋平とよっしーの胸を借りて、色々相談したいと思う。

さて。始まる前に、うーんもう始まってるのか厳密に言えば。読み合わせもやったし。ざっくり皆さんがどんな状態だったか僕目線でのコメントを一言ずつ添えてみようかと思います。

一瀬尚代さん …… 抜群の安定感の巻。
南雲飛鳥さん …… 漢字に振り回されるの巻。
清水かおりさん … 頼れる雰囲気出してくるの巻。
河上由佳さん …… 本読みはこうあるべきを示すの巻。
袋小路林檎さん … すでに役作りが始まったの巻。
中元優那さん …… 感情のおもらしの巻。
真壁愛さん ……… ポイントガードの如く回りを見るの巻。
米山真理さん …… 自分の役どころに戸惑うの巻。
森口直美さん …… 一徹な職人気質で堂々たる佇まいの巻。
大江雅子さん …… 新しい風ビンビン感させるの巻。
川端優紀さん …… 僕の本の読み方を熟知しているの巻。
吉田青弘さん …… ニヤニヤしてるおじさんの巻。
鈴木洋平さん …… 阿吽の呼吸で汲み取ってくれるの巻。

↑色んな人間がいます!

そして、これからの日記で登場する責任重大なポジションのお三方、いや、厳密に言えば四人かな。

演出助手の小山くん(テノヒラサイズ直前により読み合わせは欠席)。
サポートチームの石田さん、飯伏さん、夢祈くん。
きっとこのメンバーが支えてくれる事が大きな躍進に繋がると思わせてくれた。さり気なくかけた募集、こっそりだから一人だけでも来てくれたら助かるなぁと思っていたら三人も来てくれた! みんなちゃんと活躍してもらいます!

大きな座組だけど、ちゃんと僕、指針になりますから。まぁ、迷ったら迷ったでそれも楽しんで行こうぜ、堅苦しいのはやだし、怪我には気をつけて出発進行ってな具合で。昔、憧れて立ちたくて仕方がなかったHEP HALL。劇団時代にも三回上演させて頂いて、とてもお世話になっている劇場さん。片岡自動車工業としては初めてです。

大阪に出て来たばかりの頃の僕じゃなくても、今の僕でもまだあこがれの場所がHEP HALLでそれはきっと変わらなくって、ここでする作品は一本も落とさないゾ的な(他の劇場でもそうなんだけど)意気込みみたいなものはちゃんと持ってる。HEP HALLで上演される作品は面白いものばかり!って言ってもらえるような作品を打つ事が、僕ら創作者が劇場に出来る唯一の恩返しだったりするわけでして。

ちょっと未来に。もし今回の作品をひょんな事から観る事になった若者が、ちゃんとときめいて、憧れて、成長して、見た事もない作品をひっさげてあの場所に立ってくれる未来を作りてぇなぁ。それくらいはやってやるか。みたいなノリで参ります。

※十年程前、劇団で三輪車を改造して飛行機に見立てた作品を上演した時、千秋楽の日に、ステージの後、お子様のために飛行機を持って帰ってくれたお客様がいて、先日その方から手紙が来ました。立派に高校生になったんだとか。川の土手で三輪車を漕いでた頃の写真も同封されてました。劇団は解散しちゃったけど解散公演の千秋楽に挨拶で言った言葉や約束は、ちゃんと守ります。

あの場所で待っている。

青島青子、乞うご期待。

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