先生の話。

先生の話。

中学の時の、担任になった男の先生が国語の先生だったのだけど、こんな事を言っていたのを思い出したので簡単に書いておく。

ホームルームか何かの最中に先生が突然

「みんな聞いてくれ。おれ、結婚するんだ。」

授業を止めてまでする話かと内心思ったが、惚気ているわけでもなく何かを伝えようと真剣な眼差しの先生の次の言葉にクラス全員が注目して黙った。

「でな。結婚相手に、これから先、死ぬまで毎日あなたを好きです!と言い続ける約束をしようとしたら彼女にこう返されたんだ。」

「出来もしない約束なんてしなくて良いわ。約束が守れなくなった時に辛いし悲しいもの。」

「確かにおれは【死ぬまで毎日】は言い過ぎたと思ったんだ」

なんの話や。
ツッコミたくなるのをグッと堪えて話の続きを待つ教室。

先生の奧さんになる人は先生に向かってこう言ったそうだ。

「明日も私の事が好きだという言葉を、明日もまた言ってちょうだい。明日になったらまた同じことを言って。そしたら私は毎日綺麗でいるわ。もし言えなくなるときが来たら、それはどちらかが死んでしまう時よ。」

「おれは良い奥さんをもらったなと思ったんだ。みんなも真似して良いぞ。」

けっきょく惚気だったわけだけれども、奥さんは、一生好きと言い続けてと言う願いを言ったんだ。それも「毎日」とか「一生」とか言う重たそうな言葉ではなく、明日の繰り返しという素敵な言い回しに置換されただけなのだけど、男の立場からすると、この願い事はとても心地よくて、さらに好きに対して私も好きよ、という返しではなく「綺麗でいる」と言っているところも見事だ。少なくとも先生が奥さんに愛を告げていれば綺麗でいると言ってくれているし、愛の告白こそ女性が綺麗になる秘訣なんだという女性から男性に向けてのメッセージも込められている。ロマンチックだ。

今回の一連の流れの中で、自分が一番興味を惹かれたのは、国語の先生が言葉たくみに骨抜きにされているところだ。国語教師の攻略法をよく理解した聡い奥さんで先生にぴったりだ。

おわり。

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片岡自動車工業クラウドファンディング

2022年7月14日 ●クラウドファンディング募集開始しました! 初となる東京進出公演決定!実現に向けて応援よろしくお願いいたします!【2022年8月31日25:59まで】

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クラウドファンディングページより

はじめまして。片岡自動車工業 主宰 片岡百萬両です。このプロジェクトページに目を通して頂き誠にありがとうございます。
2014年。僕が人生を掛けて続けていきたいと思っていた劇団ミジンコターボが10年という歳月で解散しました。解散と言ったのも主宰である僕ですが、それから2年間は薄暗い部屋から一歩も出ない完全に空白の時間を過ごしました。親にも迷惑をかけながら、悶々とした日々に終止符を打ったのも、また演劇がしたいという気持ちでした。【片岡自動車工業】という名で演劇活動を再スタートし、2週間のロングラン公演中に大阪府北部地震が発生し公演を一部中止せざるを得なかったり、コロナ禍のなかで思うように稽古や公演ができなかったりと主宰としてまだまだ経験していないことだらけだと思いました。そんな中、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティという目標としていた劇場に進出することが叶いました。ずっと応援してくれた家族の支えがあり、また僕の創る作品に全力で挑んでくれる俳優とスタッフがいて、そして観に来てくださるお客様が沢山の声援と拍手を送ってくれたからこそのシアター・ドラマシティ公演でした。

一つ大きな目標を達成し、これから一人で続けていくには限界を感じていた僕に「チームになろう!」と声をかけてくれる仲間がいました。片岡自動車工業の公演で主演を三度務めた、存在だけで空気を明るくしてくれる女優の袋小路林檎さん。僕の古くからの友人で、一時期はラーメン屋の店長まで上り詰めたのに「やっぱりエンタメがしたいっす。」と言って映像編集や制作業務の勉強をしている俳優の澤奈津樹さん。劇団時代は新人だったけれど、そこから一人メキメキと経験を積み脚本や演出、演出助手までするようになったムードメーカー女優の真壁愛さん。そしてこれから先、成長し素晴らしい女優になるだろうと声をかけた若き精鋭たち、川上藍香、川嶋芙優、椎木ちなつの総勢7名となり、東京進出公演が決まりました。劇団の解散から8年。全くもって想像していなかった未来に冷や汗をかきながらも、片岡自動車工業東京進出公演に向けてワクワクが止まりません。実現に向けてご支援よろしくお願いいたします。

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