幾星霜。

幾星霜。

過去の話。

片岡自動車工業、片岡です。一人ユニット丸3年を終え4年目を迎えて元気にやってます。元気にやってるっていうのはうわべの話で本音の部分はまだ劇団を畳んだ解散公演から、なにも進んでいないんじゃないかと錯覚する日が何度も押し寄せる日々だ。

もう3年もやってて4回公演も行ったし一人芝居も新作2本やったし、最近観劇していただくお客様には、かつて主宰を務めていた劇団の名前なんてご存知ない方のほうが多いと思います。しかし関係者にとってはまた違った話で、あとからあとから「あの時の片岡さんは」だなんて色んな話を耳にします。今でも本当にあった事を気持ちのまま喋れる相手なんて、解散が決まった日に電話した数名しか未だにいない。

やればやるほど、片岡自動車工業という名前がついて回るし、どんどん過去は置き去りにするんだけども、外部に出演する時のクレジットの括弧書きの重みだったりシェアだったりのあの感覚はもう2度とないんだなぁと思ったり。いくら片岡自動車工業って付けてもね、印刷代やインクの消耗を考えれば、別に表記なくてもいいんじゃないかって迷うくらいです。

自他共に認めている事なのかもしれないけど、過去にやれていた名作にどうしても今の人たちに観てもらいたい衝動もあって、色んな働きかけをしたけどどうしようもなくて、だからといってはなんだけれども、心を折った。働きかけはやめ。そのほうが前に進めるし、健康にもいい。

今の話。

走ったり考えたり、相変わらずパソコンをパチパチ叩いたりの日々。
ひとつ公演が終わって、また備えて、次を目指して、去年や、一昨年とはまた違った事をして、実に実りあるビューティフルデイズが続いている。躍進も後退も、全て自分自身の頑張り次第だし、誰かに手伝ってもらう事はあっても、それは手伝ってもらう以上でも以下でもなく、その有難さと容赦なさを毎日痛感している。

誰かに手を差し伸べているのか。誰かに差し伸べられているのか。無意識ではなく意識的にやったり、やらなかったり、とにかく「余計なお世話」を美談にしないように努めている。昔より損得で動くようになったのかな。人情に厚いほうが好きなんだけども。しょうがないね。人と人はいつまでも約束もなしに、或いは固く誓った約束があったにしても、一緒にはい続けられないし。

まぁだからと言ってはなんですが、離れる人材は離れたし、今も一緒にいる人はいる。おれの人生だもの、おれ中心で考えなきゃ。劇団中心だった数年前より、当たり前の事をしている。

未来の話。

やはり躊躇することも多い。自分の言動や行動で無意識に不必要な圧力を掛けていないか。かけるべくしてかける時ももちろんあるけど、心はホットに、頭はクールでいるように心がけている。

今、一本のシナリオと向き合っているけれども、とても難産だ。色んな要素があって、ややこしい性格のおれがヘソを曲げていたり、ちょっとでも気に入らないことがあれば止まってしまう。そういうのはうっちゃってがんがん進めればいいのだけど、どうも鏡を覗き込んでいるようなそんな感覚になる。反面教師にしつつ、邁進もしたいけれど、純粋に一本の作品を完成させることと、今回の新しい座組でしっかりスタートを切りゴールまで駆け抜けるのが第一目標だ。

イチをジュウにヒャクにするよりも、ゼロをイチする大変さが押し寄せてきて、それにはもう慣れたし、わりと熟練度も増してきたのだけど、まだまだ今の自分には足りてないスキルがあった。人のゼロをイチにもニにもヒャクにもセンにも、できるようにならなくちゃ。なろうなろう。

幾星霜。どんだけ経ったかなんて今後もきっと考え続けるんだろうけど、確認作業ではなく、これはただの振り返り。懐かしんでるだけ。

まだまだ化け物でいたいんだもの。

2018年、9月突入。15年前から着ているこのジャージ。いつまでも似合っていたい。猫も元気。

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