「そして下北沢で我々は」全ステージ終了。

「そして下北沢で我々は」全ステージ終了。

片岡自動車工業 大阪凱旋公演「そして下北沢で我々は」全ステージ終了いたしました。連日たくさんのご来場、温かい拍手、笑い声、本当にありがとうございました!

半年前に演劇の聖地下北沢で上演したこの作品は、どうしても大阪のお客様に、一緒に創作をした人たちに、演劇でなくとも、迷ったり悩んだりしている人に見てもらいたくて大阪公演を決めました。「もう一回やろう」と言ったのは僕で、全員が即座に「やりましょう」と言ってくれました。

限りなく片岡自動車工業に近い架空の劇団を演じるメタファーな作品ですが、半分以上は僕の勝手な当て書きです。もちろん新たに加入した美鈴と福澤音羽のお披露目公演という事もありの公演ですが、僕やあわさん林檎さんが周りでワイワイして、若いメンバーには若者にしか演じられないフレッシュな役どころを、真壁には頼れるけれど謎めいた先輩を演じてもらいました。ゲストの前川ゆう君も、全てのお話に絡んでいて、ゲスト感が全くないくらいに活躍していただきました。

なんかね。魂を込めればちょっとくらいは格好良く見えるじゃないですか。
そもそも演劇って熱量が全てと言っても過言ではないんじゃないかと常々思っている僕なんですけれど、時代に合わせてアップデートをしてゆく中で、今の片岡自動車工業は、その魂を込めるメンバーたちであるし、ちょっと格好悪かったり情けなかったりする人間に欠落している部分と真摯に向き合って演じてくれる人たちでもあります。

もちろんかっちょいい芝居もあって良いし、哲学的な作品だってたくさん上演されてほしいけれど、片岡自動車工業は、グッときて、ちょっと笑えて、スカッとして、元気になれるような公演を打つ団体でありたいなぁと思っています。女性が強い団体でもありたいですね。

何をオーソドックスというか分かりませんが、繊細なエピソードを大胆かつ丁寧にお届けしたいなぁと思います。劇中の台詞は、日々考えている事のモヤモヤしていることを吐き出すように綴りました。スケッチブックをめくりながら物語を進めるのも、わかりやすくお届けできればなぁと思いながら、東京では移動手段やみんなの荷物の体積が少しでも軽減するために平面的なものを駆使したいと言うところからでした。

演劇を志す人たちの葛藤を描きながらも、その創作過程については触れずに「舞台に立つエンディング」を目指す物語でした。エンディングで暗転になっていく中、拍手が聞こえてきて、「嬉しい!」と思いました。カーテンコールに明転してから起こる拍手とは、その内容が違うように思います。また、照明や音響、舞台に関してもACT cafeで出来る事の可能性にとことんまで挑戦してくださってとても頼りになりました。もちろん植田さんの衣装も!

僕が演じた虹岡という役は、いろんな芝居に登場しています。東京進出公演の「商店街の話」の時と全く同じ衣装で舞台に立てたのも嬉しかった。法被を着ているのも、実は全作品では酒屋の店長だったからなんですが、植田さんは「座長」になった虹岡も、そのままコーディネートしてくれました。嬉しいなぁ。

この作品を観て、一緒に作りたい。片岡自動車工業に興味がある。なんて人たちがいたら嬉しいなぁ。もちろん東京を中心に公演を打つ団体ではありますが、やっぱり大阪の皆さんにもお会いしたい。僕ら今、こんな事してますよ!って。

足元の悪い中、たくさんの方が駆けつけてくださいました。本当に本当にありがとうございました。また絶対大阪でもやります。でも10月は東京の、例の下北沢で二本立てを上演します。

また劇場でお会いできるのを楽しみに、まだまだ良い作品をお届けできるように邁進したいと思います。ありがとうございました。

あとがき。また書くかもしれません。

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