「北の大地の幾星霜」終演。
脚本と演出を担当いたしました吹田メイシアターファミリーミュージカル「北の大地の幾星霜」、全公演無事終了いたしました。たくさんのご来場、手拍子、拍手、そしてSNSでのご感想ありがとうございます。
いつか書いたかもしれませんが「北の大地の幾星霜」は、これまで僕が脚本と演出を担当したファミリーミュージカルの4作目にして物語の起こりと結びを描きました。初年度「愉快な国の毒舌王妃」から時系列は逆巻に連作になるように作りました。なかなか壮大だし、思いついて本当にそれを実現できるのかどうか、挑戦すべきか悩んだりもしましたが1秒後には「やる」になっていました。というわけで4年前の時点からはどんな物語にするか、なんとなく考え始めていました。本作の劇中にある「北の大地」から飛び出した人たちは過去の作品に散りばめられていたりもしました。ただ、連作だっていうのは個人的な挑戦であり、ひとつひとつの作品はそれで完結すべきだし、この4作品はいつかまた皆さんに観ていただける機会があればなぁと思っています。そんな意味でもこの4年間は、僕自身長い長い旅だったような気もします。
初年度に小学生1年生だった参加者は4年生になりました。ずっとオーディションに挑戦し続けてくれた人もいるし、初めての参加者もいます。舞台は一期一会だなぁ。「北の大地の幾星霜」は見守るを軸に置いた物語でした。それが銅像であったり、友であったり、動物であったり、魔女であったり、母であったり、空の上の誰かさんであったり、お客様であったり。
めちゃめちゃ声が小さかった子が「この瞬間だけ、吹田で一番でかいMHzが君から出て欲しいんだ」というと、声が裏返るくらい顔を赤くして叫んでくれました。ビリビリと痺れるようでした。オペラ歌手の大上さんには、早々に逝去して銅像として舞台上で止まり続けてもらいました。タップダンサーの細川さんには、座って踏んでもらったり杖で踏んでもらったり、銃声をタップで表現してもらいました。真壁は超でかい尻尾と共に舞台に立ってもらい口の中に何かを含んでもらったりしました。満腹くんには、5代にわたり脈々と受け継がれる一族を全て演じていただきました。そして佐月さんには不老不死で孤独な少女を演じていただきました。
時系列を先へ先へと飛ばし続ける怒涛の展開で、見どころが分散してしまうのではないか。メッセージが多くて混乱させてしまうのではないか。プロットは複雑すぎないか、登場人物が多すぎないか。そもそも42人でやっているのに一人一役どころか3〜4役くらいみんな演じている。構想の段階ではなかなか気を揉むことが多かったのですが、高山さんが書いてくださった数々の音楽のユーモアと重厚さと壮大さ。それをしっかり歌唱指導として立体化してくれた楠美さえこさん。踊るだけでなく演じるに重きを置いてくれたHee-sunの振付。全てがカチッとハマった作品で、もっともっとロングランになってたくさんの方に知ってもらいたい作品にもなりました。
何よりも、コロナ禍から始まった4年間で、初めて全員で初日、全員で千秋楽を迎えることが出来、感無量です。千秋楽ではスタンディングしてくださった方もたくさんいらして、それを浴びる出演者たちのキラキラした姿は、舞台表現の髄を垣間見ました。まだまだ面白い作品を目指して邁進したいと思います。
とりわけミスが許されないテクニカルセクションがあるステージでトラブルに見舞われ、終演後「もっと頑張ります、すみませんでした」と陳謝されて、僕は「すでに頑張ってくれているんですから、これ以上頑張らなくて良いですよ。一緒に楽しみましょう」と答えました。それから笑顔で舞台に戻ってくれて完璧に仕事をしてくれました。僕は、なんだかそういうのが結局、舞台に向かっていくエネルギーになっていくと思うんです。
片岡自動車工業のメンバーも心強く、美鈴、音羽、ちなつ、芙優、真壁、林檎さんが揃い踏みでした。みんな本当によくやってくれたなぁ。ありがとう。
吹田メイシアターにおける僕の4年間のファミリーミュージカルの任期はひとまずこれにて満期となりました。一回だけで終わられる方もいるのだとか。僕はありがたいことに4年連続4作品、担当させていただきました。吹田の方面に足を向けて眠れません。本当にありがとうございました。また、この4年で天国へ行かれた僕の敬愛する先輩にも、この拍手が届けば良いなぁと思っていて、早いか遅いかはわかりませんが、そのうち僕もたくさんの土産話を持っていくので、首を長くして待っていてくださいね。
作品の裏話みたいなものはまた気が向いたら書きます。ありがとうございました。
それでは皆さんソーロンチャオ。