配信一人芝居終演。
袋小路林檎さん(片岡自動車工業)の公演では超お世話になっている女優さんとの配信一人芝居の上演日でした。
演目は「ダム部のアイちゃん」。
劇場から灯が消え始めた今、我々インディーズの表現者には一体何ができるのだろうか。とかずっとずっと考えていて、林檎さんの今考えていることと、僕が今考えていることがちょうどいい感じに合致したことから始まり話の浮上から一月もないほどで上演の本日を迎えました。
僕は兵庫県、林檎さんは関東、それぞれオンラインのみで趣旨を伝え、稽古を進め、本番。衣装の植田昇明さん、そして音響と照明をしてくださった柚希朱美さんと林檎さんのpococha配信のアシスタントさんたちのたくさんの協力があり、劇場さながらの熱量溢れる30分になったと感じました。やっぱり林檎さんはすごいひとですね。
劇場で利くはずの暗転が効かない!
音響とのレベルと発声のレベルが合わない!
台詞に遅延が生じる!
舞台袖がない!
というか舞台がない!
他にも諸々、本当にたくさん。
上演中に宅急便きたらどうしよう!
出来ることは限りなく集めて、ないものにすがらず出来ない事は切り捨てて、配信でお楽しみいただくにはどのようにすれば良いか、アイディアをどんどん実践してくださったおかげで今回のような形になりました。
植田さんに用意していただいた衣装は林檎さんにぴったり。これを画面いっぱいにしたかった。衣装からもらえるアイディアもたくさんたくさん。
pocochaにはアイテムを投げる事で綺麗で可愛いエフェクトで画面が美しくなるんだけれども、終演後はとんでもなくド派手でまるで劇場で拍手をいただいているような感覚になりました。
この公演が一つのモデルケースになれば良いなと思う反面、本心はやっぱり劇場空間で上演するためにはどうすべきか、まだまだ考えています。
やっぱりね。
今のこのオンラインだったりチャットだったりでのモノは舞台で上演できないことの代案でしかなくて、いや、それはあくまで自分にとってに限るかもしれないし、可能性はまだまだ探るべきなんでしょうけど、生で観てもらいたいです。会いたいです。劇場で皆さんに!
芝居と映像の間はジャンルとして有りだと思った反面、今現場がどんどん減っていく事に慣れ始めている自分に鳥肌が立つ瞬間もありました。
また世界が元気になるには、とてもとてもパワーと優しさと時間が必要なんだと思うけど、今自分に起こっている不具合は毎日確かめなくちゃいけないですね。世界がどうかは十分にインプットできる世の中ですし、だからこそ、元気になってもらえるような技術を編み出したいです。その場凌ぎではなく、同業者同士の搾取でもなく、まだまだ突き抜けた挑戦が必要だなと思いました。
そんな感覚を身をもって思い知らされた袋小路林檎さんのひとり芝居は大成功だったんじゃないだろうかと思っています。それにこの配信に駆けつけてくださった皆様にも心からの感謝を。
お金も大事。お金がなくちゃ何も始まらないけど、魂も大事。笑顔が病を吹き飛ばすというのは科学的にも立証されていて実践されているホスピタルクラウンという職業が定着したように、娯楽は人との関わりがもたらすプラスの感情や感覚を実現する為にまだまだ考えています。
林檎さん、植田さん、柚希さん、アシスタントの皆様、そしてご視聴してくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。