笑顔の難波ちゃん。

笑顔の難波ちゃん。

「THE 20回転の恋」初日の幕が開きました。お越しいただいたお客様へは前説でご挨拶させていただいた男です。満席で開幕となったわけですが、本当にお一人お一人にご挨拶したいほどの感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!

まぁね!とにかく出演者を褒めてください。本当によく頑張ってるんですから。今日は朝からリハーサルでゲネプロもやって初日というかなりのタフさを要求されたんですが、全員で走り切った。評判も概ね好評のようで一安心。作りとしては「あのシーン良かった」「このシーン良かった」と言ってもらいやすい作りですし、「あの子が良かった」みたいな比較もしやすいし、物語もシンプルなんじゃないかなと思っています。大阪は雨が降って虹が出て台風が接近しているとの事。天神祭で花火もバンバン上がってますしね。実にタイムリー。

オーディション合格者のみ、とかで集まったし初舞台も居るけど、演出的には一切ビギナー向けじゃないオーダーを通しつつ、初観劇のお客様にもわかりやすいという作りを狙ってみてるんですけども。そういうわかりやすいけど、ちょっと表現が変わってるよっていう空間演出とデザインみたいな事に拘っていて、そこを後押しする仕事を担っている真壁さんです。

演出メモとして、今回、意識的に取り組んでいるのが
「明と暗」「静と動」「男と女」「現実と空想」「賛成と反対」「優性と劣勢」「多勢と無勢」「抽象と具象」「上昇と低下」「絶頂とどん底」「右と左」といろんなベクトルのコントラストを軸に、多面的に人物と物語も捉える100分間、って感じです。これを選択するにはなかなかの取捨が必要で、やり始めたらどこまででも広がってくるので制限時間以内にまとめるのに苦労したくらいです。頭はね、いくらでも使えますからね、思いつく限り。もちろんワンアイデアのみで押し切る演出作品も好きですけど、今回はお節料理のような作りにしたかったのもあって、無音のステップワークシークエンスやミラーリング、マスゲーム要素の入ったパフォーマンスや、コマ送り、みたいな、台本には書ききれないようなことを演出に詰め込んだし、出演者は知っているんだけど、もう書きあがった時にはほとんどの演出はテキストに反映されていた形です。

登場人物が二人っきりなのに二人芝居じゃ絶対に実現出来ないってところや、携帯電話が駆使されるのにそれが肝心の相手に繋がらなくて、結局アナログ的に攻めるしかない、みたいなちょっとした理不尽も面白みに繋がればいいなと思ったり、やっぱ面白いシーンって悲しいシーンのその先にあったりするよなぁとか思ったり、自分が作るエンターテイメント作品の四十八手を詰め込んでます。

というわけで、明日は15時と19時。どちらも当日券のご用意をしております。どうぞご興味があればお越しください。大歓迎いたします!

今回が初舞台で初経験の難波遥ちゃん。フライヤーの女性なんだけども、初日が終わった後の彼女の笑顔が本当に清々しかった。これは演出としても主宰としても誉れでした。達成感はね、楽な事の延長線上にはあんまりなくって、しんどい事の先にあるし、「楽」って漢字は色々な読み方があるけれど、「楽しい」って思ったり思ってもらったりするのは大事だもんね。楽して人は感動させらんないし、この作品は楽して作れるものでは到底ないので、とても気に入ってます。

最後まで楽しもうと思います。

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