初日ツンとドラ。
はいどうも。ツンとドラ「S」初日の幕がとうとう開きました。
おれが脚本演出を担当しているのは前半の【現実】と呼んでいる部分。二本立てのような構成なのだけど、これをどう解釈するのかは、前説アナウンスで述べさせてもらっており、万が一遅れて入場された場合はそこを零してしまうので、わりと重要な言葉を逃してしまうため、楽しみ方がかなり変わると思っています。
初日は置きにいくベテランと攻める若手。みたいな日だった。キャリア故の臆病さは絶対に必要だし、若気の至りもあって、とても勢いのある初日となった。たくさんの方にお越しいただいて本当に嬉しい。
ところで今回のような作品の構成になるまでには本当に本当に、気が遠くなるほどの紆余曲折があったのだけれど、この形はこの形でベストではないかもしれないが、無限に近い数のベターと、出演者やスタッフ陣の力によって補われているため、胸を張れる作風です。この物語を通して、今回描いている主人公やその家族、あるいは他の登場人物の誰かに自分を重ねて思い返してもらえるような事があれば、それだけで胸もいっぱいになると言うものだ。
特筆すべきは出演者たちの年齢層がとても若いと言う事。平均年齢においてもそうだが経験値においては初舞台の出演者もいる。今回おれの担当するお話では全員が1人ずつ役割を担っている。均等ではないにしろ、所謂モブとしての登場が著しく低い。モブと呼ぶには輪郭がはっきりしているキャラクターだらけなので、脚本ではなく演出部分においてはわりとデンジャーなキャスティングとも言える。様々な場所から集まったそれぞれの性格と知性と品性の持ち主たちが、物語を中心に一つのグループになりエンディングでは今回かなり負荷のかかる演出を要求しているにも関わらず、それぞれが身を窶してくれていて、一つの作品として、またはエンターテイメント作品として華麗に昇華している。
今回、劇作上、一番気にかけていたのはエンタメと呼ばれる部分だった。踊りも殺陣も派手さもないエンタメ作品を初めての人たちと真っ向勝負で作りたかった。それは実際にはとても難しい挑戦だったけれども、かなり具体的に成功している状態だ。
おれもちょっとだけ出番があるけれども、もうちょっと出たかった。だから明日からはもうちょっと出てしまうかもしれない。出ないかもしれないが、まぁ一番どうでもいい役だし、どうでもいいような役はおれ1人で十分だけれども、ここもピックアップできるんじゃないだろうかと考えている夜だ。
しかし、お手元のパンフレットの中にアンケート用紙はございません。なんて言うたの初めて。