稽古25日目。
朝になった。
片岡自動車工業での、尼崎での稽古が最後だった。ダンサーさんも来てくれて前半と終盤の息を合わせなくちゃならないシーンをしっかりと合わせた。チーム力がますます上がっていて、もう若手もベテランも、大阪も東京も、男も女も関係なく一つの塊になってきました!
稽古終わりからささやかな時間ではあるのだけど、丹下ちゃんが声をかけてくれて。「話できますか」と言うのは簡単そうに思えて、小屋入り直前のこのタイミングで、きっと外から見たらかなり忙しそうにしている自分に声をかけるのは相当なエネルギーが必要なんじゃないかなと思いました。あわさんと林檎さんと丹下ちゃんと4人の話になり、核になる部分や、そこまで考えてくれてるのかって言うところや、もはや自分には「考えがそこまで及んでいない」部分にまで踏み込んでくれていました。
もうここ最近上っ面の言葉や、知ったかぶりの物言いは、劇作において弊害にしかならないと感じるようになって、「わからない!」と言うようにしています。自分で書いたくせにって思われるかも知れないし、きっと世の中の演出家は僕なんかよりずっとずっとすごい人ばかりなんだと思うのですが、役作りや演技の方向性については、それぞれの登場人物について考えている時間が、キャスト20人全員分をちょこっとずつ考えている自分(さらに自分の演じる役についても考えているの)と比較すれば、スパークを演じる丹下ちゃんの方が自分の20倍は考え抜いてくれているわけで。その過程で演出とのディスカッションに持ち込んでくれる話は作品の財産になります。本当に。丹下ちゃんがスパークでよかった。それに丹下ちゃんの問題は私の問題でもあると言わんばかりに話に耳を傾け続けてくれた林檎さんは本当に天晴れだったし、あわさんはあわさんならではの視点でしっかりと、そしてスマートに切り込んでくれる。ディスカッションの際、遠慮が遠回りである事をとても理解してくださっているので単刀直入な打診が効率を上げてくれます。やっぱすげぇなぁあわさんは。今日の丹下ちゃんが持ち込んでくれた議題はお話全体に関わる超重要ポイントで、そこをこのタイミングで話せたのは本当によかった!
そしてここまで書き続けると、なんか他の出演者さんたちが変な感じになるかもしれないので、ここで弁明しておきますと、稽古終わりに「ここからは体力勝負、体調管理もしっかりして、家に帰ったらうがいをしてください!」みたいな事も言ったので、皆さんはそれぞれのやり方で本番に向けて準備をしてくれているのです。
残す稽古は3回。でもスケジュールの都合で堀内玲ちゃんはここで稽古から離脱.歯に衣着せぬ言い方をすれば、正直かなり悔しい。まだまだ良くなる可能性があるのに! マネージャーさん、マジでしっかりスケジューリングしてください。女優が気の毒です。でも玲ちゃんは真摯に向き合ってくれていて、出来る事は全てやってきていて、どんどん良くなっています。玲ちゃんファンは観ないと損しますよ!
稽古終わりに小道具作業。いぶちゃんと真壁ちゃんが朝まで付き合ってくれた。いぶちゃんはチームサポートのリーダーとして全力を注いでくれている。みなみちゃんも終電ギリギリまで居てくれた。夜中の間、今年はいぶちゃんめぐみとは春にえーびーがた、夏はRABBIT HEART PROJECT、冬は片岡自動車工業と、一年中劇作を共に過ごしたねぇとか、春夏秋冬の秋はなかったから「春夏冬」で飽きないねぇとか、カッターナイフで指を切ったり頭がおかしくなったり、超でかい小道具をやっつけた。
夏から髪の毛を切っていないのに気が付く。長くなっちった。
ヘアメイクの河瀬さんとも電話で打ち合わせ。頼もしい!
赤星さんから本編で使用する動画素材が送られてきて、その映像にゾクゾク致しました。すごいや赤星さん!
こんな風にいろんな方に助けてもらっているおかげで、演出としての人事が真っ当できております。
2年前「青島青子」の時、アンケート用紙に「そう言う事したいんだったら商業行けば?」って書かれてあって、それは激励なのか批判的な意味合いなのかどう言う意味で書かれたのかはもうわからないんですけど、この公演のための前哨戦のような事でもありました。商業演劇の何が商業科わからないんですが、大劇場でやります!
この公演はDVDにはなりません。マジで一回こっきりなんです。だからね!
もう芝居は劇場で見てもらうのが一番って言う原点に回帰しています。お客様にも届けばいいんだけど!
【本日のハイライト】
詩映莉ちゃんと七味ちゃんの役作りがすごくなってきた。こんなに難しいオーダーなのにクリアにしてきてくれる。その詩映莉ちゃんが某シーンでの役を演じたんだけど新しすぎて腰が砕けそうになりました。
あとね、いっちーはずっとすごいです!
また明日!と言うか今日!