伊豆丸と言う役との出会い。
「地球ロックンロード」本番が終わり、そして上映会でもアフタートークでもない振り返りの時間の「ひそひそ後日談会」が終わりました。お越し下さった皆様ありがとうございました。
今年初出演だった公演でした。年明けの顔合わせから、色んな稽古や日程と平行ではありながら、一本の作品、一人の登場人物としっかりゆっくり向き合えた公演だったと思う。今回の公演で自分が演じたキャラクター伊豆丸についても一人後日談と言う名のふり返りをしたいなと思う。
本編をご覧になった方ならすでにお分かりの通り、女性だらけの登場人物の中で現れる正体不明のオトコ。それが実はその寮の、学校の、部活の卒業生で、当時は女の子だった役です。心も乙女なのか漢気があるのか、割と揺さぶられもしましたけど、やっていて楽しかった。「女性が男性として生きる」と言う現代で認知され始めた生き方を選んだ伊豆丸の、その経緯は本編では一切触れられないところにも魅力を感じた。さらに本編中では、名言と迷言と明言が入り混じる、いい加減で良い加減なキャラクターとして存在しているようでした。トランプを探したり、けん玉をやり始めたり、ギターを弾くかと思えば別に弾かなかったり、演技プラン上、何かに捕われればたちまち迷子になってしまいそうな伊豆丸。モデルになるキャラクターは頭の中にしっかりあったけど、やっているうちにどんどん変わってきた。台本に山ほどあったヒントを手繰り寄せて迷子にならないようにまっしぐらに進んでみた。
許せないことは何一つない伊豆丸。
行動理由がその日によって変わる伊豆丸。
好きな事と苦手な事が100個ずつある伊豆丸。
目標に向かって一直線な伊豆丸。
自分の事を語るのが苦手な伊豆丸。
他者を肯定も否定も出来ない伊豆丸。
朝は朝、夜は夜で楽しめる伊豆丸。
何事も自分の物差しで測る伊豆丸。
靴を履くのがめっぽう嫌いな伊豆丸。
恩に厚く、礼儀がなっていない伊豆丸。
猫に執着をする伊豆丸。
なんだかんだで長生きしそうな伊豆丸。
立体化するのも難しかったけど、こんな感じで組み立ててみたらすごく楽しかった。宛て書きをしてくれたこのキャラクターは自分の中でかなりしっくりくるところまで持ち上げられた。また無責任な事を言うようだけど、伊豆丸はなんかの芝居でまた登場してほしいなぁと思いながら、その時には自分が絶対やってやると言う意気込みと、他の人が演じているところも見てみたいなぁと言う興味と。
まぁ自分が学生時代に伊豆丸のような人に出会ったら、多分懐いてしまうんだろうなとか思いながら、でもほとんどの人が苦手だと感じる大人なのか子供なのかよくわからない、人であり、割と人外のようなやつでした。
今度の出演はWALL。そして「労働オブザ輪廻」。
ディレクションではラビットハートプロジェクト。そして人生はミラーボールだ!!。さらにその先の公演の情宣写真の撮影が、今日あります。桜も頑張って咲くが自分も咲き乱れていきたい2019年春。到来!