ちゃんと見えてる。
弱点的な部分はまだまだ見えててですね。「お局ちゃん御用心!」なんですけどね。なにかに手がかかってるところはわかってて、今何が問題なのかまでほとんどの人がわかっていて、でもたぶん、問題に当たっている当の本人だけが「問題じゃない」あるいは「誰かが解決してくれる」と思っていて。
この撃ち漏らしをどうにかしたいわけです。演出的限界を突破したいわけです。この演出的限界というのは今までにも何度もぶち当たってきた壁なわけでして。もうアンケートに「かわいかった」なんて書かれてるだけでは満足がいかないわけで。具体的に言うと、初出演の堀内玲ちゃんは、かわいいだけではないわけで。かわいいのはもちろん、面白いわけで。それが片岡自動車工業に出るという理由なわけで。
具体的にいうと、「こうやん?」と動いてみたときの、役者の率先して自分がやるまでの速度でピンと来てるかどうかわかるわけで。いつまでも動かないから、言葉を重ねたり、もっと違う理論をぶつけるしかないわけで。時間は限られているわけで。
是常さんはすごい。自分にどれくらい時間がかかるか、なにが苦手なのかをしっかりアナウンスできるので「その演出、まだしゅんでないです」と言える。演出オーダーをクリアするための稽古も欠かさない彼女は、これまで舞台で見かけてきた安定感に納得がいくわけで。
芝居のはねさせ方を知ってる人と知らない人、この差はでかい。
ちゃんと見えてる。今回はバレるだろう。このままだと。共演者でさえもわかっている。