ほな、また明日。何億年先でも。
おれです。INDEPENDENT:17参加作品「何億年先でも」全公演終了いたしました。たくさんのご来場ありがとうございました。やっぱ芝居作るの好きだわおれ。
と思わせてくれた谷野まりえちゃん。一枚だけ2ショットの写真撮りました。全身全霊で「何億年先でも」を演じてくれて本当にありがとう。劇団員ではない女優さんとタッグを組んだのは花田綾衣子ちゃん以来10年ぶりの事でした。
去年は「突貫!拙者の一夜城」を吉田青弘くんと作りました。どっちも大切な作品になりました。去年ってか今年、札幌でやってるんだけども。
まず夏が終わる頃には脚本は出来ていて、決して容易くは完本できなかったけど書くのは楽しかった。自分の身に起こった事も振り返りつつの執筆。背中にドリルで穴をあけられて、管を通されて、下半身に麻酔打たれて、車椅子生活、の2週間もしないうちに公演ってなかなか壮絶な経験で、まぁぶっちゃけくじけそうにもなったけど、いや、もうくじけてたんだと思うんだけど、よぼよぼの身体とも向き合って、今はほら、こんなにも元気になりました。
「何億年先でも」で彼女が演じた役が死神である事も、劇中で登場する大きな鎌の事も、植田さんが用意してくれた衣装の事も、ずっとずっと秘密にしてきました。全部ネタバレだしね。最近は風潮として公演前に衣装やら稽古風景の動画やらを発信しやすい時代になったけど、おれは、劇場で上演される作品はビックリ箱みたいであってほしいという強い気持ちがあって、どうしても時代の流れに乗りきれずにいます。作品自体を劇場で全部まるっと楽しんでもらいたいと思うから。
死神は、おれが初めて書く題材でした。満月動物園さんの観覧車シリーズの影響も大きくあります。劇団時代に上演した死神が登場する作品も、おれなりに尊重してみて、それでも、こんな死神がいてくれたら世の中捨てたもんじゃねぇなぁ。と思ったりしながら書きました。
稽古はまりえちゃんと返し稽古と通し稽古をたくさんしました。無駄話もたくさんしました。まりえちゃんの腕はムキムキになったりもしました。打てば響くとか、褒めれば伸びるとか、そんな次元の稽古でもなくただただ盲信するようにこの作品の台詞のことばっかりしてました。演劇の創作ってつまりそういうことでしょ。踊ったり歌ったりも楽しいし、まりえちゃんならなんでも出来るんだけど、今のおれがまりえちゃんに捧げるべき作品は、デコレーションされた物語や演出とはちがったところにある孤独になる瞬間の心みたいなところだけを要求しました。
フィジカル面で頑張ってるように見える演出もなくって。ノーガード。
だけど心にひとつでも残ってもらえればそれだけでいい。そんな覚悟がようやく出来たような作品が仕上がりました。おれはこの「何億年先でも」が自分の代表作だと思っているし、次はこれをこえる作品を作らなきゃと思ってます。それをストイックな事だとはもう思わない。当たり前の事だと思ってます。
芝居の打ち上げで彼女とお別れしました。また会えればいいし、会えなかったら残念だけど、きっと会えるでしょ。その時はまたよろしくね。みたいな感じで。
昔の事だけ輝いてる!そんな暗い毎日は過ごしたくないもんね。先生。
とりわけ見てもらいたい友人たちに見てもらえた。なかなか捨てたもんじゃないなと思った。
ありがとうございます。差し入れもおいしく頂いたり飾ったりしております。応援してくださって、本当にありがとうございます!
ほな、また明日。何億年先でも。