何を言ったところで。

何を言ったところで。

最近たくさんのことが始まったのであれこれと書いてみたいと思います。ザッと四つ。

●RABBIT HEART PROJECT顔合わせ。

ついに始動しました。7 月末まで全員で駆け抜けたい。顔合わせでは何も配布せず心に留めてもらっておきたい事をたくさん喋った。
・自分の芝居創りの仕方について。
・私生活と演劇との関わり方について。
・この団体を結成するに至った想いや名前の由来。
・片岡自動車工業の施設について。
・なによりも今回作る作品について。
新作のプレゼンをしてみた。びっくりしていた様子もあったけど好感触。ちょっと変わった事に挑戦するからね。こればっかりは立体化してみなくちゃわかんないけど、きっと面白い。破片はたくさんたくさん集めてる。あとは集まったみんなと膨らましていこう。
全員ではないけど写真を撮りました。みんなのお名前はまた、しっかりと発表いたしますのでどうぞお楽しみに。

●BANZAI FILMS「労働オブザ輪廻」撮影記。

滋賀県(もうほとんど岐阜県)に泊まり込みで団体初挑戦のWEBドラマの撮影に。実は自分の撮影は今回はなくって手伝いに徹した。芝居やっててもそうなんだけど、どうしても表方やってると、裏方の大変さがわかりきれなくて、後になってから「え、そんな苦労させてたの?」とか、ちっとも気遣いが足りてなかったなぁとか、かけて欲しい言葉や気遣って欲しい対応が出来ないことが多い。映像作品だって一緒で表だけやってると見えないものもたくさんある。初めての媒体にせっかく声をかけてもらったから、自分のアクトに繋げるためにも、団体の目指す理念や抱える問題にちょっとだけでも触れられるかなと思ってお邪魔してきました。そんなこんなでカチンコをやったりあれこれと。まぁ怒られたりもしますけどね。良いじゃないっすか、知らないことは知らないんだから。これから知っていくんだからさ。人生大冒険。
山本ドリルくんと自分でカチンコブラザーズ。胸には岡崎体育のBASIN TECHNO。彼は今年埼玉スーパーアリーナでワンライブという夢を叶える。マジリスペクト。

●10月大規模ダンス公演の録音を。

これはもうずっとずっと前から準備してきて、原田みのるさん主宰の大劇場舞台に関わらせていただく。脚本と、出演とで。脚本はずっとみのるさんとラリーを続けていて決着をすでにみています。現代とジブリッシュが交錯するコンテンポラリーダンスと演劇のコラボ。もちろん自分は演劇の要になる。
この日は、物語の重要な役者とダンサーがチェイスするであろうナンバーの音撮りでした。クライマックスに近いシーンを半年前のこの時点でビジョンがしっかりとあって、リハ用にテストも兼ねて録りました。イメージがブワッと膨らんだ。クリエイティブな事をするって事だけではなく、面白いものを重厚な質量にまで昇華させて舞台に乗せる。これをするだけの準備と繊細さが抜群。

●最近思う事。

小演劇界隈でちょくちょく見かける、ギリギリの通しで「やっとお客さんにお見せできる状態になってきました」的な、セリフ噛み倒しプロンプ出されまくり、ウロ覚え状態で綱渡りで通しをやって「おれまぁまぁ出来てたやろ?」とハイボール片手に豪語する俳優もやっぱいるわけで。それはそれで、ぶっちゃけ理解はできないけどその人たちなりの美学があるんでしょうけど、「台詞は直前まで覚えないタイプ」とか宣言する人、たまにいるけど具体的にどういうメリットがあるのかいまだにわからない。

なんというか、間に合わせる事が大前提の劇作とは雲泥の差を感じる。はっきりと思うのは、劇団時代、どうしても作家が遅筆なせいで劇作がギリギリになり続けたあの頃の勿体ない感から脱却すべく、片岡自動車工業を始めた。目指すものが目の前にあって、今一緒に創作している方々はみんなそれが出来ている。別に遅筆を非難するわけじゃないけど、面白いものをもっと面白いものにする、さらにちゃんとお客さんに興味を持ってもらうには圧倒的に容量が多い業界で、劇作だけしてれば満足って人も中にはいるだろうけど、上には上がちゃんといる。階段を駆け上がっている人たちは手も気も抜かない人たち。自分もそうでありたい。そして徐々にではあるけどそれが可能になりそうな、そんな手応えも感じている。

響きの良い言葉の羅列は時として悪印象になり得る。
SNSで簡単に発信できる時代になってもう随分経つけど、表現者の構ってちゃん発言はちょっとウッてなる。

「良い役者になりたい」とか見かけると
なれやー! どうやるか知らんけどなれやー! と思ってしまう。そしてすぐさま、そんな風に思う自分はとことん性格がねじ曲がってるなと反省もするのだけど、ちょこちょこ同じ感覚になってる人を見かける。綺麗事ばっかじゃない。キラキラ光るためには、その横で鈍く燻っている人のトスや努力をしてくれている人材が絶対にいる。そこから目を背けちゃダメだ。でも多分、今の自分にも見えてないことはたくさん、まだたくさんあるんだろうけども。

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