敷居の定め方。
正しいとか、正しくないとかはさておいての話。
おれは今、これまでに体験していない事に挑戦している。ツンとドラのユニット結成。旗揚げでHEP HALL。クールだと思う。今の所自分は。
関係者がこんな事を言っていた。
「最近HEP HALLで打たれている芝居、全然面白いのないンすよね」
未だHEP HALLで公演を行なった事のない劇団の作演出家の発言だ。
「だからあそこで打つメリット、あんまり感じないンす」
うん。そう思ったらそうしたらいい。
別にあの劇場がゴールでも目標地点でもないんだし好きにすればいいけど、ディスるなら演ってからディスれよって思っちゃうわけですよ。ほんでもそれだけでかい口叩いといて、可愛らしい小屋でしか打ってないし、演目からしても雰囲気からしても演目で劇場の大きさを選んでいるわけでもなさそうだから、一応憧れてたりもすると解釈。
ところで最近の役者の在り方に疑問を感じることもしばしば。SNSで発信も受信もしやすい時代になったせいだけども「かまってちゃん」が増えた。これはもう格段に。
「おれ!めっちゃ頑張ってます!観に来てね!」
とかは全然良いんだけども
「おれ!こんな苦難にぶつかってます!でも頑張ります!」
はもうしらんがなとなる。こういうのがすげぇ増えちゃって、なんだったら共演者同士で「頑張ってね!」とか「あれは良かったよ!」とか慰めあったりしちゃってて、もう何が何だか。部活でもやってんじゃないのってくらいに。
だってもうすげぇわかりやすく言っちゃうと最近じゃ平気で4000円を越える金額を取るんすよ演劇が。そんな金額を出してまで劇場に足を運んで、苦難にぶつかってるやつの苦悩を見せつけられるわけで、そんな稽古での艱難辛苦は後にして本番、クールな芝居で魅了する事にのみ殉じてくれよと思う。
役者なんて本番で脚光浴びるんだからそのためだけに、その一時間か二時間の間、全身全霊で輝けるように、稽古を重ねるんでしょうが!
稽古での苦労話なんて聞きたくないYO!!
「褒められたい」という心理は良くわかるけど、そのさらに向こう側の「構ってもらいたい」という心理で舞台に立たないで欲しいナァ。だからすぐにSNSでもネガティブな事を発信しがちなんだけれども、ファンタスティックな事をやろうとしているんだったらその創作過程は露出しない方針でっておれは思う。そのようにやるけれども。
だから敷居の定め方については色々思うところもある。
主宰だから決めなくちゃいけない事は決める。
例えば、USJに行って店員さんがテンション低かったらもうそれだけでシラケるでしょ。君は昨日恋人と別れて悲しいかもしれないけど、楽しみにきてるお客さんは君の傷心を見かけたらがっかりするに違いないんだ。
USJでもそれくらいの社是があるのに演劇界隈はもうグダグダのじゃじゃ漏れ。芝居が今ひとつジャンプアップしないのは、そこらへんのアイドルさんたちよりも全然制限がかからない状態で、友達ごっこをSNSで見せつけた挙句、宣伝メールだけ頻繁に来て、しょうがないから見に行ったら行ったで、てんで大した事してなくって、やっぱり知り合いだけが楽屋に押し寄せて、仲良さそうに写真撮って投稿してんだ。まだ美味しそうなパンケーキの写真の方が全然嬉しいわい。
後「お客さん全然入ってません!助けてください!」とか簡単に言えちゃうんだ。芝居で魅了してくれよ。お客さんが入ってないとか、もうただの怠惰だしな。だって、手売りする時間を割いて頻繁に飲み会開いてるんだもん。宣伝やらに尽力注げているならまだしも、飲むのが目的なんじゃないの的な現場も多くて、稽古場に行くと一回飲み会に行くのが決まりみたいになってて、お酒を飲まないおれはコーラに3000円とか払う事になるんだけども、すげぇ高いコーラになっちゃう。お代わりしてたとしても一杯で1000円。1000円あれば何日も生活が出来ちゃう。
この全力で作ったフライヤーは本日到着しました。巻きますよ!
でもこないだSNSで叩かれちゃった。「ツンとドラのチラシ、全然そそらない」って。そのアカウントちょろっと見たけど、完全に誰かの裏アカウントって感じで、個人攻撃が目的である感じだった。よくもまぁ匿名で誹謗中傷してくれるじゃねぇのって感じ。別に良いよ、これがピンとこない人がいることも覚悟もしてるけど、個人的感情でこじれた風評被害出すのはな、卑怯だぜ。だからだいたい誰かも検討ついてるけど、おれは知らない顔をするよ。たまに現場で会う人物だけどね。気づいてない振りしといてあげる。でも、もし何かキッカケがあったら、その時は覚悟しとけよな。
って言うかこのフライヤーかっこええやないか!
おれは気にいっとる。
憤りもしっかりとしたモチベーションに繋がるんだからな。
でもな、そんな事もうしなくて良いから幸せになってほしい。裏アカウントまで作ってサーチかけては機嫌悪くなって呟いたりするんでしょ。そのエネルギーは、もっと別の役立つ何かに当てれるはず! おれはおれでよろしくやってるから。それがお別れと言うものだろう。粘着してると嫌われますよ。
はぁい!
毒を吐くおれもここからガンガン出て行きます。
【追伸】
戒田さん。痩せて行くおれに「性格まで尖らないようにね」と言ってくれた、おれの恩人であり同業者として敬愛してやまない戒田さん。
ごめんなさい。おれはますます尖ることになります。
どうかあなたもこれまでになく尖った作品を作ってください。